人は誰しも前向きに生きたいと願う。

前向きに生きると言うことはどういうことか?
それは行動することである。

夢や目標に向かって前に進む。
前向きに生きるとはそういうことだ。

しかし、多くの人はそれができない。
なぜか?

めんどくさいから。

めんどくさい。
人の行動を阻害する、この負の感情を我々はどう乗り越えればいいのか?

そのヒントを教えてくれるのが、アニメ映画の巨匠・宮崎駿監督の言葉だ。

世の中の大事なことってたいていめんどくさいんだよ

宮崎駿監督のこの言葉を聞いたのは、NHK「プロフェッショナル〜仕事の流儀」という番組だった。

放送は2008年8月5日。
4年ぶりの新作「崖の上のポニョ」の創作現場に300日にわたって密着したドキュメントだ。

宮崎はこの番組の中で、紙とペンを使って作品の構想を練る。
そして、何度も何度も「めんどくさい」という言葉を発するのだ。

「めんどくさいなあ」
「まことにめんどくさいよね」
「めんどくせえぞ」

宮崎駿ほどの巨匠が愚痴ばかりこぼしながら、仕事をしている。
僕はその姿に衝撃を受けた。

めんどくさいっていう自分の気持ちとの戦いなんだよ

番組の中で、宮崎はこう答えている。

「めんどくさいっていう自分の気持ちとの戦いなんだよ」
「めんどくさいなあ。あーめんどくさい」

そして、こうも言う。

「めんどくさかったら辞めれば?」
「うるせえなあ」って、そういうことになる。

宮崎にとって、創作は「めんどくさい」との戦いなのである。
そして、また愚痴をこぼす。

「何がめんどくさいって究極にめんどくさいよね」

このとき、宮崎は70歳。
自分の限界と向き合うには年齢的にはきついはずだ。

それでも、創り続けることができるのはなぜか?

それは我々の想像を絶するプレッシャーを背負っているからだろう。

ヒットしてあたりまえ。
話題になってあたりまえ。
人に感動を与えてあたりまえ。

宮崎はこれらのあたりまえと戦っているのだ。
いや、戦いという言葉では生ぬるい。
「死闘」といった方が適切だろう。

「めんどくさい」は達成感や幸福感、生きがいなどを生むきっかけともなる

宮崎が「めんどくさい」を連発するのは、過度のプレッシャーによるストレスだと考えられる。

しかし、脳科学の見地からすると、このストレスは決して悪いものではない。

ストレスは人間にとって心身を強くするために必要なものであり、快感をもたらすものでもあるのだ。
そして、達成感や幸福感、生きがいなどを生むきっかけともなる。

よく定年退職をしても仕事を続けている人のほうが健康でいられるというが、これは適度なストレスがあるため。ストレスは生きていく上では必要とされるものなのである。

「めんどくさい」と思う自分の変え方

人はめんどくさいと感じた時に取る行動は2つである。

「めんどくさいからやらない」
「めんどくさいけどやる」

このどちらかだ。

宮崎は「世の中の大事なことってたいていめんどくさいんだよ」と言っているが、実はあなたが「めんどくさいと思っていること」はあなたが大切だと思っていることなのである。

では、めんどくさいと思ってしまう自分を変えるにはどうすればいいのか?

やり方は以下の3つ。

①やらなきゃいけないことを減らす

人はめんどくさいと考え出すと、いろんなことがめんどくさくなるものである。

そういう場合は、そもそも自分がやろうとしている「めんどくさいこと」を洗い出してみる。
そして、自分に本当に必要なこと以外は排除する。

②「やらなきゃ」と思わないようにする

めんどくさいのは、「やらなきゃいけない」という気持ちがあるから。
そこで、こう考えるのだ。

あなたが「やらなきゃいけない」と考えていることは、「やる必要がない」ことなのか?
それとも、「やりたい」ものなのか?

その理由を考えてみるのである。

これによって本当に必要がどうかが見えてくるので、やる気に左右されなくなる。

③とりあえず行動してみる

「めんどくさい」が口ぐせの人には完璧を求める傾向がある。
そのため、あれこれ余計な心配をして何もできなくなってしまう。

これを止めて、とりあえず行動してみることである。

まとめ

人の行動を阻害する「めんどくさい」。

宮崎駿監督ほどの人が「めんどくさい」を連発することに勇気づけられた人は多いのではないだろうか?

「めんどくさい」という言葉はネガティブに捉えられがちだが、あなたが「めんどくさいと思っていること」はあなたが大切だと思っていることだということ。

そして、「めんどくさい」は、達成感や幸福感、生きがいなどを生むきっかけともなる。

あなたも上手に「めんどくさい」と付き合って欲しいと思う。

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