好きな人とは一緒にいたい。
恋愛をしている人なら誰もが抱く感情である。

しかし、一緒にいたからと言って必ずしも幸せなわけじゃない。
むしろ、一緒にいることが苦しいこともある。

たとえば、DV男がいるとする。

彼はいつも不機嫌で、しばしば暴力を振るう。

でも、好き。

そんな男と女の関係は世の中に数え切れないほどある。

なぜそんなことを書こうと思ったのか?

それは、蒼井優のある言葉を見たからである。

今回はそれについて書いてみたい。

「誰が好きかより誰といるときの自分が好きかが重要」

恋多き女と言われた蒼井優。
2019年6月、彼女の結婚報道は大きな話題になった。

相手がブサイク非モテキャラとして知られた南海キャンディーズの山里亮太だったからである。

実は、この結婚発表の1ヶ月ほど前に、
音楽プロデューサーのヒャダインがツィッターでこんな投稿をしていた。

「『誰を好きか』より『誰といるときの自分が好きか』が重要らしいよ」

このツイートは3万8千リツイートされるなど大きな共感を呼んだ。
実は、この友達というのが蒼井優だったのだ。

蒼井はのちにその事実を認めている。
そして、旦那である山里といるときの自分は好きかと問われ、こう言っている。

「そうですね、悪くないなと思います。
ダメらしいですね、誰かのためにやって上げたと思ったら、その人との関係が続かないんですって。
“自分がやりたくてやったかどうか”で全部判断した方がいいっていうのを本で読みました」

山里との関係はとてもうまく行っているようだ。

僕はこの話を知って、かつての友人のことを思い出した。

うつ病を患い、自殺した友人が漏らした妻との関係

それは今から25年以上も前の話である。

当時、僕がよく一緒に酒を飲んでいたNという男がいた。
彼は大学時代からの友人で、とても上昇志向の強い男だった。

卒業後は中堅商社に勤め、将来独立することを夢見ていた。

Nは26歳の時、1人の女性Mに恋をした。
彼女は女優になることを夢見ていた2つ年下の女性。

夜はスナックでバイトをして生計を立てていた。

その店でMと知り合ったNは、彼女に夢中になった。
そして、猛烈にアタックした末、ゴールインしたのだ。

2人はともにビッグになることを夢見ていて、意気投合したようだ。

そして、結婚から4年後、Nがちょうど30歳になった頃。

僕は彼から悩みを打ち明けられる。
彼女との関係が最悪の状態だというのである。

この頃、Nは仕事に行き詰まっていた。
大きな取引で致命的なミスを犯し、上司から毎日のようになじられていた。

「オレ、会社を辞めようと思うんだ」
Nは僕にそう打ち明けた。
「辞めてどうするんだ?」
僕が聞くと、
「脱サラしようと思っている」

そう話す彼の顔は明らかにやつれきっていた。
「脱サラして本当にやっていけるのか?」
僕が尋ねると、彼は少し沈黙した後こう言った。

「正直、自信はない。でも、そうするしかないんだ」

実は、Nは夫婦生活にも問題を抱えていた。
妻のMに毎日のように責められていたのである。

「こんなはずじゃなかった。あなたは30までに必ず独立して、大金を稼いでみせる。
そして、私に贅沢な暮らしをさせてやる。そう約束したわね。あれは嘘だったの?」

結婚後、Mは女優になる夢はあきらめていた。
Nがセレブな暮らしをさせてやると宣言していたからだ。

しかし、現実は違った。
バブル崩壊後の長引く不況で、Nの会社の業績は悪化。
給料も生活するのにギリギリの状態だったのだ。

そんな生活に、妻は毎夜のごとくヒステリーを起こし、夫をなじった。

精神的にどんどん追い込まれた彼は、人生を変えるには脱サラで一発逆転を図るしかないと考えたのである。

「自信がないなら辞めた方がいい」
僕はそう忠告したが、Nはその後会社を退職。

当然のことながら、脱サラもうまく行かなかった。

Nは酒の席で僕にこう言った。

「あの頃は良かった。好きな女も手に入れて仕事も順調だった。オレはそんな自分が大好きだった。でも今は、自分のことがどんどん嫌いになっている」

Nはその後、うつ病を発症し、Mとも離婚。
そして、31歳の誕生日に自ら命を絶った。

僕が蒼井優の話を知って、すぐに頭に浮かんだのが友人Nのことだった。

「誰が好きかより誰といるときの自分が好きかが重要」

NはMが好きだったが、Mといるときの自分は嫌いだった。
彼の転落の原因はそこにあったのだろう。

山里亮太は蒼井優といるときの自分が好きなのか?

山里亮太といるときの自分が好きだという蒼井優。
では、山里はどうなのだろうか?

彼もやはり蒼井といるときの自分が好きなのだろうか?

答えはおそらくイエスだろう。

過去の恋愛ではいい思いをしてこなかった(?)山里は、蒼井のハートを射止めたことに大きな自信を得たことは疑いようがない。
そして、そんな自分が好きであるはずだ。

ただ大きなお世話かもしれないが、心配なことがひとつある。
それは、恋愛における不幸キャラから幸せキャラに変身してしまったことである。

今は祝福されているが、先はわからない。
不幸を商売道具に使えなくなったことで、彼のお笑い芸人としての将来は厳しいものになるかもしれない。

実際、テレビで最近観る山里は、精彩を欠いているようにも見える。
イジられて毒を吐くという「嫌みなひねくれキャラ」の芸風が活かせなくなっているからだ。

「誰が好きかより誰といるときの自分が好きかが重要」

この言葉に多くの人が共感したのは、恋愛における幸せとは何か?を教えてくれるからだが、山里は蒼井といるときの自分がずっと好きでいられるか?
そして、蒼井も山里といるときの自分がずっと好きでいられるか?

これはすべて山里の今後の生き様にかかっている様な気がする。
そして、蒼井がそれを理解し、サポートして行けるか?

幸せな2人に水を差すつもりは毛頭ないが、ついつい余計な心配をしてしまった。

男と女の関係は難しい……。

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