名言というのは、
人生に迷ったときや生き方に悩んだときの指針になるものである。

生きる希望を与えてくれたり、
元気にさせてくれたり、
感動をもたらしてくれたり、

しかし……

そんな心を打つ名言も嫌悪感をもつ人もいる。

そこで、今回は「嫌いな名言」というテーマで、
名言を斬ってみたい。

努力は必ず報われる

この名言は、
「頑張っているのに上手く行かない」
という人にかける言葉として用いられる。

かつてAKBの総監督だった高橋みなみも
よく使っていた。

しかし、嫌う人は多いようで、

「『努力は必ず報われる』というのは嘘だ。
どんなに努力してもダメなものはダメ」

確かにこれは納得する部分もあって、
逆に努力している人を苦しめる結果になるのだ。

そんな中で、僕がなるほどと思ったのが、
王貞治氏の言葉。

「努力は必ずしも報われないが、
成功した人はみんな努力している」

これなら納得できる。

神は乗り越えられない試練は与えない

これも昔からある有名は言葉だが、
首をかしげる人は少なくないようである。

「人生には乗り越えられない試練はいっぱいある」
「病気と闘って苦しみながら死んだ人はどうなるんだ?」
「自分は試練を乗り越えられたことは一度もない」

こうした恨み節のような声は結構ある。

ただ、この「神は乗り越えられない試練は与えない」という言葉、実は誤解されているようで、キリスト教の牧師によれば、本来は次のような意味なんだそうだ。

「ここで言う『試練』は『誘惑』という意味。
病気や死など世の中には超えられない試練はある。
だからこそ神様が必要なのです」

つまり、生きているとさまざまな誘惑があるが、これらはすべて乗り越えられるもの。
これが正しい解釈だというのである。

実際、「神は乗り越えられない試練は与えない」は英語では……

「God will not let you be tempted beyond what you can bear」

「tempted」(誘惑した)という言葉が使われている。

死ぬ事以外かすり傷

これは生きてることがツライ人を励ますときによく使われる言葉だが、違和感を持つ人は多いようだ。

「僕はこの言葉が死ぬほど嫌いだ!
人生には死んだ方がマシだということもある」
「自殺する人に『死ぬ事以外かすり傷』なんて言えるのか!」

壮絶なイジメを受けたり、
莫大な借金を抱えたり、
半身不随の障害を負ったり、

それでも頑張って生きるというのは素晴らしいことだが、果たしてこれを「かすり傷」と呼んでいいものなのか?

そんな声がネットには数多く寄せられている。

みんなちがってみんないい

これは金子みすゞの有名な詩の一節だ。

この言葉自体を嫌う人は少ないのだが、
今の世の中とは矛盾しているという意見もある。

「人と違うことをやると、バッシングを受ける世の中にはそぐわない!」
「みんなと同じであることを強要してくる学校の教科書にこの詩が載っていることに矛盾を感じる」

確かに、名言と現実の違いをこれほどよく表した言葉はない。

若い頃の苦労は買ってでもしろ

この言葉は年配者が若者に向けてよく言う言葉だが、苦労を押しつける無神経さに腹が立つという声が目立った。

「苦労なんてしないにこしたことがない。
それをわざわざ買ってでもしろという神経を疑う」
「ほっといても苦労は勝手に向こうからやってくる」
「こういうことを言うヤツは年取っても苦労してる」

お前が死にたいと無駄に生きた今日は、昨日死んだやつが一生懸命生きたかった明日なんだ

これは名言にありがちな言い回しだが、不快に感じる人は結構いるようだ。

「死ぬほど悩んだ時間を無駄と言い切るな!」
「比較が極端すぎて寒い気持ちになる」
「だからどうした!」

まさに揚げ足を取られやすい名言の典型例だろう。

明日やろうは馬鹿野郎

いわゆる言葉遊び的な名言だが、反応は冷ややかだ。

「今やれ!今やれ!と脅迫されているようでうざい」
「明日やれることは無理して今日やらなくてもいいじゃないか」

これもツッコまれやすい名言のひとつである。

親になって親の気持ちが初めてわかる

昔からよく言われる言葉だが、今は評判の悪い言葉のひとつ。

「親になれない人は親の気持ちはわからないってこと?」
「子供を望んでいても授かれない不妊治療中の自分には辛い」

確かにこの言葉を聞いて傷つく人は多そうだ。

同じような言葉に
「子どもは親を選んで産まれてくる」
という言葉があるが、これも嫌う人が目立った。

「虐待で命を失った子どもはどうなるんだ?」
「子どもができない自分は選んでもらえないのか」
「正しいのは、子どもは親を選べないだろ」

もうツッコミどころ満載である(笑。

明けない夜はない

「朝が来ないで欲しいという人はいっぱいいる」 というのが、この名言が嫌いな人の言い分。

「止まない雨はない」というのも同じパターンである。

たとえ雨が止んでも、また降ってくる。
明けない夜はないけど、夜はまたやってくる。

そんなあたりまえのことを言っても、
何の解決にはならないというわけだ。

まとめ

ということで、「嫌いな名言」について、いろいろみてみた。
結構納得させられた人も多かったのではないだろうか?

名言というのは、決して万人に通用するものではない。

その人の置かれた状況で受け止め方はいくらでも変わる。

ある人にとっては心を打つものであっても、別の人にとってはまったく心に響かない。
そこが名言の面白いところでもあるのだが……

いずれにしろ、名言は生かすも殺すも自分次第ということなのだろう。

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